Act0.始まり


「……なぁ、本ッッ当――に、大丈夫なんだよな?」
ある日の放課後、理科室にて夏樹はサカキに念を押すために尋ねた。
わざわざ部活をサボッてまでしてサカキ・蒼・ハナ・夏樹・真岬の5人は集まっていた。
「さぁ?」
「さぁってなんだ、さぁって!?」
あっけらかんとしたサカキの答えに、半ばキレかかっている夏樹。
「不安だねぇ」
「不安ですね」
顔を見合わせて言うハナと真岬。
「なんとかなるって♪」
笑って気楽げな蒼。
「なんともならね――!!!」
叫ぶ係の夏樹。
「大体な、効果も大して分からん実験をするっつー時点で不安じゃないのか!?
 しかも何だこのメンバーは!?バラバラすぎるぞ!!」

その通りで、この5人が集まることは珍しいことなのだ。
サカキと夏樹と蒼とハナは2年生、真岬が1年生。
クラブはサカキ・蒼・真岬がブラスバンド部、ハナは美術工芸部、夏樹はその2つを兼部。
サカキは生徒会書記、ハナは部の副部長、夏樹と真岬が図書委員、蒼は学級の数学・家庭科・技術係。
クラスも真岬が1−3、サカキ・蒼・ハナが2−1、夏樹が2−3。
人自体は仲が良いのだが、なかなか5人全員が集まる機会は無い。この状況がその理由だ。
よくサカキもこのメンバーを集められたものだ。

「出来たっ。あとはこれを火で炙るのみ〜」
「楽しそうですね、サカキ先輩…」
真岬が複雑そうな笑みを浮かべる。
「そーいうの大好きだし、仕方ないよ」
ハナが同じように笑って言った。

この時、誰1人として知らなかった。
今まで知る事実で創られた世界が、たった1秒で壊されてしまう、ということを―――



・言い訳みたいな後書き・
これは、実際にいる人になるべく近づけて作った"人"を、フィクションの世界に放り込んでみたものです。
サカキ、ハナ、蒼、夏樹はご存じのとおり、管理人がモデル、真岬は後輩の子がモデルです。出来うる限り、本物に近づけてます。(性格のことですよ!?)
まぁこんな性格なんだと、……思って、…大丈夫だと思い…ます。(滝汗)



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